本研究は富裕国の豊かな食生活がグローバル・フードシステムによって支えられているが、このシステムのゆがみが貧困国における食料難と富裕国における健康被害をもたらしていることを前提に、その改革のための政策規範を構想することを目的とした。 研究成果として、第一に食の工業化が富裕国における健康被害だけでなく、貧困国から穀物収奪を引き起こしていること、第二に富裕国では食の工業化のため消費者が食に対して十分な自己決定ができないこと、第三に貧困国ではグローバル・フードシステムへの参入を強制されていることを明らかにした。こうした状況を打開するための規範として「食料主権」が重要であることを解明した。
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