研究課題/領域番号 |
23530163
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
苅田 真司 國學院大學, 法学部, 教授 (30251458)
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キーワード | 国際情報交換(アメリカ) |
研究概要 |
平成23年度における基礎的な研究を受けて、平成24年度は、以下のより具体的なテーマについて分析を行った (1)ラザスフェルド関係の文献の収集と分析・・・前年度未実施だったアメリカ合衆国コロンビア大学での資料収集を平成24年10月31日~平成24年11月6日(7日間)の日程で行い、未公刊資料を含む重要資料を入手・複写した。 (2) ラザスフェルドの方法論及び社会科学観の実証主義的側面の分析・・・主としてウィーン期のラザスフェルドに関する方法論及び思想の形成過程を分析した。ラザスフェルドの社会科学論の原型的な形態をウィーン期の著作から抽出することができた。 (3) ラザスフェルドの方法論及び社会科学観のプラグマティックな側面の分析・・・ラザスフェルドの社会科学観の持つもう一つの側面である社会科学の有用性についての議論を検討した。アメリカにおけるラザスフェルドの議論の変容過程をウィーン期との比較で明らかにした。 (4)ラザスフェルドの社会科学研究の組織化論のアメリカでの受容過程の分析・・・ラザスフェルドのにおける研究の組織化と制度化をめぐる議論を「ビッグ・サイエンス」論との関係で、分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画であげた7つの研究テーマの内、「ラザスフェルド関係の文献の収集と分析」、「アメリカの社会科学史及び社会科学論の分析ラザスフェルドの方法論及び社会科学観の実証主義的側面の分析」、「ラザスフェルドの方法論及び社会科学観のプラグマティックな側面の分析」の4つの分析がほぼ完了し、1つ(「ラザスフェルドの社会科学研究の組織化論のアメリカでの受容過程の分析」)が研究の途上にある。 ここまでの研究成果によって、パウル・ラザスフェルドを中心とするコロンビア大学の初期行動論グループの1940年代おける動向とその特質を、ラザスフェルドの社会科学観との関係で描くための準備は整ったと考えられる。 さらに、残る2つの研究テーマである「ラザスフェルドの社会科学観のアメリカでの受容過程の分析」および「ラザスフェルド方法論の影響」について分析は、最終年度の課題であるが、これらについても資料収集はすでに終了している。
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今後の研究の推進方策 |
上記したように、「ラザスフェルド関係の文献の収集と分析」、「アメリカの社会科学史及び社会科学論の分析ラザスフェルドの方法論及び社会科学観の実証主義的側面の分析」、「ラザスフェルドの方法論及び社会科学観のプラグマティックな側面の分析」の4つの分析がほぼ完了している。最終年度は、これらのテーマ及びそれを組み合わせた論文を発表していく予定である。 また、研究途上のもの(「ラザスフェルドの社会科学研究の組織化論のアメリカでの受容過程の分析」)に関しては、試論として研究会あるいは学会の場で口頭報告の上、諸学兄のご批判を受けたい。 さらに、残る2つの研究テーマである「ラザスフェルドの社会科学観のアメリカでの受容過程の分析」および「ラザスフェルド方法論の影響」については、すでに収集した資料を元に着実に分析を進めることで、最終的な研究目的である初期行動論をアメリカ社会科学史の文脈の中に置き直すことにより、それが同時代的に持った意味とその結果を位置づけ直す予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
すでに、海外での資料収集を含め、主要な支出は終了している。最終年度は、まだ未見のの資料ないしその複写の入手に努めるとともに、新たに出版される文献の収集等に、主として研究費を使用する予定である。
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