1940年代から70年代にかけて活躍した、アメリカの社会学者パウル・ラザスフェルドの文献を、社会科学史的観点から研究することにより、以下の三点を明らかにした。(1)ウィーン期のラザスフェルドについて、ドイツの社会調査史との関係を明らかにした。(2)1940年代のコロンビア大学の社会学部における共同研究の実態を明らかにし、方法論的には大きく異なるものとして分類される社会学者が、緊密な協同作業を行っていたことを明らかにした。(3)1950年代から60年代にかけての大規模社会調査の制度的な構造を分析し、自然科学とよく似た「大規模な協同的行為としての科学」という現象が見られることを明らかにした。
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