研究補助を受けた期間を通じて、15-16世紀のイタリアを中心に、同時代のイングランド、ドイツ、スペインにも視野を広げつつ、人文主義的な統治進言書についての資料収集と解読をおこなった。中世のキリスト教的君主鑑論とキケロやアリストテレスの徳論とがルネサンス・イタリアの統治進言書において接合されたことについて、またその際の統治者資質論の変遷については、1-2年以内に論文として公表したい。また、この研究とも関連するテーマとして、エピクロス主義やアヴェロエス主義の近代政治思想への影響に関心を抱くようになり、2015年に2本の論文を公刊(入稿済み含む)した。
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