研究課題/領域番号 |
23530171
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
鈴木 恵美 早稲田大学, イスラーム地域研究機構, 准教授 (00535437)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | エジプト / 地域研究 / 政治エリート / 政治学 / アラブ部族 / 議会史 |
研究概要 |
本研究の初年度である本年度は、まず17世紀から18世紀のアラブ部族を起源とする名望家に関する文献の収集と、すでに所有している文献の調査に努めた。また、海外調査は、カイロにおいて、アーイズ族を先祖にもつ名望家に対するインタビューと関係図書館と文書館における資料収集を予定していたが、2011年2月のエジプト革命後の治安の悪化により断念した。そのため、初年の海外調査は、トルコのイスタンブルのイスラーム研究センター(ISAM)における資料の調査を行った。また、現地における調査を行えない分、すでに所有しているダムルダーシュの「エジプト年代記」ジャバルティーの「伝記と歴史における事績の驚くべきこと」のアラブ部族に関する記述について考察を行った。 文献による調査は、平成23年と24年の2年間にわたって実施するため、平成23年の具体的な成果としては、上記の二つの文献から、現代にまで名望家としての地位を維持している家族に関する記述を抽出し、データベース化したことである。このデータベースは、本研究の基盤となるものである。上記の年代記と地誌はエジプト研究においては著名であるが、本データベースは、現代にまで有力者としての地位を保っているアラブ部族起源の名望家に着目し、それらの17世紀18世紀の動向を取り上げ、エジプト政治社会史のなかに意味付けしようとする作業の第一歩である。それらを駆使しての具体的な成果発表は、平成24年度以降となる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2011年2月に発生したエジプトにおける1.25革命後の治安の回復が遅れているため、平成23年度の12月に実施を予定していたカイロにおける調査を行うことができなかった。この分は、平成24度の現地調査課題と併せて実施せざるをえなくなった。現地調査を行えない分は、文献による調査を行ったため、平成23年度の遅れは平成24年度に取り戻すことが可能である。
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今後の研究の推進方策 |
年代記、地誌の分析は今後も継続する。加えて、オラービー運動時の南部の名望家に関する調査も開始する。また、エジプト中南部地域におけるフィールド調査を行い、当該テーマと関係する研究者との関係を構築する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の研究費は、主に資料購入とデータベースの作成と、海外調査(前年度実施できなかったカイロの国立図書館における調査など)に使用する予定である。データベース作成の際に、情報の処理を業者に委託する場合もある。
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