研究課題/領域番号 |
23530172
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研究機関 | 国際大学 |
研究代表者 |
COORAY Nawalage 国際大学, 国際関係学研究科, 准教授 (50350723)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 政府内資金配分 / スリランカ財政分権 / 資金配分基準 / 地域開発 / スリランカ |
研究概要 |
我々は、本研究の一部として、スリランカにおける政府内資金配分の決定要因を特定することを試みた。財政分権化は、その枠組みにおいて、地方分権化をもたらし地方の活性化の要因となっている。それは、政府、民間セクター、市民社会を問わず、すべての社会関係者の役割と関係を伴う(UNDP 2005)。95%の民主主義国家が今や補助的国家政府を選出し、世界中のあらゆる国が大小・貧富に関わらず、政府の補助的国家層に政治的、財務的、行政的パワーを増加させている(World Bank 2000)。 回収したデータを用いて、我々はSalgaoレポート(1989)に掲げられた7つの基準に、以下に示したとおりのウェイトを置きながら資金配分の決定的要因を探った。1. 一人当たり国民所得(10%)、2. 各地域の一人当たり国民所得と地域間の一人当たり国民所得額の最高値との差(10%)、3. 貧困度(10%)、4. 雇用状況(15%)、5. 教育水準(15%)、6. 健康と栄養状況(15%)、7. 経済・社会インフラ(25%)。 その結果、西部では、一人当たり国民所得、失業率、教育水準、健康と栄養状況については肯定的な関係が見られたが、貧困度については否定的であった。 中央では結果は後退し、一人当たり国民所得、失業率、健康と栄養状況には肯定的な関係が見られたが、貧困度と健康と栄養状況については否定的であった。確立値を考慮に入れても、失業率と教育水準係数は非常に大きな要因であると考えられる。 南部でも結果は後退した。失業率と健康と栄養状況には肯定的である一方、一人当たり国民所得、貧困度、教育水準については否定的な関係が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究を行うのに必要なデータ収集は十分ある。だが、更なるデータ収集に取り組んでい る。特に正確な統計作業を行うのにデータが必要である。また、政府関係者や日本やスリランカに関する事項の専門家にインタビューを行った。国際大学での指導学生も本研究に携わっている。これにより研究の幅が広がり彼らの支援が非常に役に立っている。
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今後の研究の推進方策 |
2012年夏に米国に行き、ハーバード大学及びイエール大学の研究者とミーティング、インタビュー等を行う。また7月か8月にスリランカでプロジェクトミーティングを行い、そこで現在執筆を予定しているスリランカの財政分権化についての書籍に協力してくれる人を最終決定する。日本からの1~2つ程のケーススタディーも含める予定である。中央政権から地方分権への日本の資金配分についての権威である日本人教授に協力してもらうことが既に決定している。12月に共同研究者であるSirimal Abeyrathne教授が来日し、1年間滞在する予定である。この間に書籍の執筆を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
夏の米国、スリランカの出張旅費と研究協力者の謝金が大半をしめることになるが、米国でのミーティング、インタビューは、この研究に大きな成果を期待できる。
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