イタリアの北部同盟を例として、グローバル化時代の新右翼政党の思想・言動における「新しいレイシズム」とファシズムとの歴史的・理論的比較研究を行った。 北部同盟は地域主義と移民排除・レイシズムの二つの特徴を持つ。地域主義の要求は2000年代初めの憲法改正で州自治権を拡大したことにより、北部同盟の存在理由が弱まり、北部同盟はその独自性を人種主義と移民排除に求めた。ファシズムの人種主義は反ユダヤ主義とアラブ・アフリカ人への蔑視と抑圧が併存していたが、アフリカ人への人種主義の激しさで北部同盟と連続している。
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