本研究では執政制度の違いが政党の組織とその行動におよぼす影響について、台湾の二大政党(中国国民党、民主進歩党)の事例研究をもとに考察した。民主化の過程で両党は互いに異なる形の組織を発展させてきた。議院内閣制から半大統領制に変容したことに伴い、両党はいずれも組織改革を打ち出したが、実現できなかった。政権の奪取(奪回)を契機として、両党では半大統領制の下での「大統領制化」の動きが確認され、組織改革が行われた。総統のリーダーシップ強化に向けた制度化(総統による党首兼任)が図られたが、新たな選挙制度と各党の公認制度の影響により、総統による与党統制が必ずしも実現したわけではなかった。
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