研究課題/領域番号 |
23530178
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
宗像 優 九州産業大学, 経済学部, 准教授 (40435095)
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研究分担者 |
浅野 一弘 札幌大学, 法学部, 教授 (20336986)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 海岸漂着物 / 危機管理 |
研究概要 |
平成23年度は研究初年度であることから、当初の予定通り、海岸漂着物問題に関する資料の収集と分析、さらにヒアリング調査と現地視察を中心に研究活動を行った。具体的には、まず9月に東京にて、環境省と、長年海岸漂着物問題に取り組んでいる代表的なNGOの一つである一般社団法人JEANを訪れて、海岸漂着物問題の現状と課題について、ヒアリング調査を行った。また、海ごみサミット(9月、愛媛)と、海ごみプラットホーム(12月、東京)に参加することで、各地域での取組み事例や、外国(韓国)での海岸漂着物対策の現状、海岸漂着着物対策における最先端の研究動向等を把握し、また研究上のネットワークの幅を広げることができた(研究代表者。学内の学術研究助成金による)。さらに、海岸漂着物による被害の著しい地域の一つである長崎県を訪れて、まず五島市役所で海岸漂着物の状況や、その対策等についてヒアリングを行い、また現地視察(福江島の三井楽、岐宿の海岸)を行った。そして、長崎県庁にて担当者や長崎県海岸漂着物対策推進協議会会長から長崎県の取組み状況等についてヒアリングを行った(平成24年2月)。そのほか、今年度の研究の進捗状況や次年度の研究の進め方等について、研究分担者、連携研究者、研究協力者と随時メール等にて連絡を取り合って、協議した。 本研究を進めるに当たり、文献資料による情報の収集や分析のみならず、行政やNGO等の関係当事者から直接ヒアリングを行い、また現地を視察することが重要であることは言うまでもない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、海岸漂着物問題に関する資料の収集と分析、さらにヒアリング調査と現地視察を中心に研究を進めた。 しかしながら、研究構成メンバー全員でヒアリング調査を実施できたのは、9月の東京での調査だけであり、長崎県への視察は、スケジュール調整の困難さから、全員で行うことはできなかった。もちろん参加できなかったメンバーからは、質問事項などを事前に聴取し、実際に現地でのヒアリングの際にそれを確認し、不参加メンバーにフィードバックを行った。 上記の理由により、現在までの達成度は、「おおむね順調に進展している」と言えよう。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画では、外国由来の海岸漂着物による被害、影響が大きな社会問題になっていることにかんがみ、その排出国の一つである韓国を訪問し、同国での取組み状況等について調査する予定であった。 しかしながら、今年度、環境省や長崎県庁、五島市役所、NGO等からのヒアリングや、海ごみサミット等への参加、文献資料の調査・分析等を通じて、国内の状況についてより一層精査を行うことの必要性が出てきたことから、次年度は、9月に京都で開催される「海ごみサミット」への参加や、海岸漂着物による被害の著しい地域の一つである富山県を訪れて、現地視察や環日本海環境協力センターへのヒアリング(またはフォーラムへの参加)等を予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
海ごみサミットへの参加や、環日本海環境協力センターへのヒアリング、現地視察、学会等での研究成果報告等に伴う旅費、謝金、資料購入を計画している。 なお、当初予定していた長崎県へのヒアリング調査に、メンバー全員が参加できなかったことにより、次年度への繰り越し金が生じたが、この点について、上述の通り、不参加メンバーから質問事項などを事前に聴取し、実際に現地でのヒアリングの際にそれを確認し、フィードバックを行っており、今年度の研究を進めるのあたって支障は生じていない。
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