本研究の一連の作業を経て冷戦期日本の対外政策における多国間主義への憧れと対米協調維持の強い決意の相互作用の過程を豊富な事例研究によってかなりの程度まで解明することができた。国連安保理からユネスコに至る各種国際機構における日本の活動とその背景を最新の一次史料を駆使しながら、英語または日本語の単著論文、共著、国際ワークショップ報告などの形で成果を刊行している。更に、本研究を通して、今までの研究で判明されなかった冷戦期日本の多国間外交の重要な側面が浮き彫りになり、この分野の更なる開拓に貴重な手がかりも多く発見できた。
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