本研究の目的は、国連グローバル・コンパクト(UNGC)の展開を実証的・理論的に解明することである。本研究は、実証的には一次情報へのアクセスに基づき、UNGCおよびそのスピンオフ・イニシアティブの一つであるPRME(責任ある経営教育原則)の展開の解明を試みた。とくに、GC事務所内のPRME事務局にてレジデント・リサーチャーとして活動し、エスノグラフィーやインタビューを行い、貴重な情報へのアクセスを得た。理論的には、社会学や経営学で議論されている「制度的起業家」論や「制度的営為」論を援用し、グローバル・ガバナンス論に不足しているミクロの観点から実践としてのガバナンスを描くための枠組の構築を図った。
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