2012年に終了した京都議定書第一約束期間後、国際社会は国際法的には数値目標が失効した状況に入った。本研究では、数値目標失効後の変容した気候変動ガバナンスの特徴は、各国が自主的に決定した国内対策を積み上げて気候変動抑制を目指すボトムアップ型アプローチにあると分析した。また、この制度の形成過程では、多様な先進国・発展途上国の国益を踏まえつつ、全会一致で合意を形成するために、気候変動交渉参加国が重視している点として、京都議定書や炭素市場で明らかになった国家間の不公平感を払拭し、意思決定が頭越しになされないことをあげた。
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