本研究は、依存関係の有無が脅威認識の形成にどのような変化を及ばすのかを明らかにすることを目指した。 事例としては、1980年代から現在に至るまでの日米中3カ国間の相互の脅威認識を中心に考察した。 依存関係の有無は、とくに意図に関する認識に対する影響が認められた。米中関係を例にとると、1)米国が中国に依存していた場合、2)中国が米国に依存していた場合、3)相互依存の関係が存在していた場合の3分類のうち、(3)において最も脅威認識が抑制されることが確認された。他方、先行研究から、次いで(2)の場合に脅威認識が抑制されることが推察されたが、実際にはその逆の(1)の方が抑制が顕著であった。
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