研究課題/領域番号 |
23530202
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
須藤 季夫 南山大学, 総合政策学部, 教授 (10243990)
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キーワード | ASEAN中核性 / ASEAN共同体 / ASEAN憲章 / 市民参加 / 東アジア共同体 |
研究概要 |
2012年度の研究計画は、4月~7月の資料収集(国内調査)、8月~9月の現地調査、10月~11月の資料の分析、12月の現地調査、そして1月~3月の2年度のまとめ、となっている。4月~7月の資料収集は大学図書館や研究所の資料を中心に行い、多くの基本資料を入手することができた。まず、7月10日~12日に国内調査を行い、第1次資料の収集に努めた。アジア経済研究所では、ASEANの政治、経済、社会文化共同体に関連する資料をコピーすることができた。特に、ASEANの経済協力に関するASEAN諸国の新聞報道の実態を調査し、研究所内部の未公開資料をコピーした。今回最大の収穫として、2007年のASEANサミットに関する貴重な資料をコピーすることができたため、論文作成に活かしたい。今回の調査により、他の共同体構想よりも先行しているASEAN経済共同体に関する統計資料がほぼ収集できたと考えられる。これらの経済資料は具体的な経済協力政策の評価を可能とするものである。このように、第2回目の国内調査から多くの新資料を発見でき、有意義なものであった。 また、東アジア共同体の実現におけるASEAN中核性仮説に関する第2回の海外調査は、8月17日から9月14日まで行われ、タイ、シンガポールとインドネシアにおいて資料収集と関係者との面談を実施することができた。特に、シンガポールでは、ASEAN研究の中心となっている東南アジア研究所内にあるASEAN研究センターのセンター長(ゼベリノ元ASEAN事務局長)、同テマサック研究員とモエ研究員らとそれぞれASEAN共同体の現状と問題点を議論することができ、今回の最大の収穫となった。最後の、ジャカルタでは、ASEAN事務局を中心に調査を行い、ASEAN共同体の課題を聞くことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
24年度は、国内調査と現地調査を集中的に実施できたため、多くの調査成果を収めることがでた。特に、東アジア共同体の実現に最も主体的に取り組んでいるマレーシアで行った調査では、期待以上の成果を上げることができた。調査として、マレーシア外務省のASEAN部局員(2名)との面接、マレーシア外交に多大な影響を及ぼす戦略国際問題研究(ISIS)における聞き取り(3名)と資料収集、そして4日間にわたるマラヤ大学とマレーシア国立大学における資料収集と関係者への聞き取り調査はASEAN中核性仮説に関する多大な示唆を与えてくれるものとなった。また、資料収集においても、マラヤ大学図書館とISIS資料館にて、これまでにない一次資料を発見するなど、貴重な成果となった。以上の理由から、本研究は順調に進呈していると結論づけられる。
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今後の研究の推進方策 |
25年度は最後の1年となるので、新たな資料の発掘とともに、これまでの総括を行い、3年間の成果報告書を作成することから、以下のとおりに研究を推進する予定である。4月~7月にかけて、資料収集(国内調査)を行う。8~9月にかけて、現地調査(フィリピン、ベトナム)、10~11月にかけて、資料の分析を行い、12月に現地調査(タイ)と研究発表を行い、2014年1~3月に3年度のまとめを行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
第3年度の計画に従い、国内調査と海外調査を中心に行う。研究費は、前年分の繰り越しを加味して、物品、旅費、コピー代として使用する。
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