2013年度の研究計画は、4月~7月の資料収集(国内調査)、8月~9月の現地調査、10月~11月の資料の分析、12月の現地調査、そして1月~3月の2年度のまとめ、であった。4月~7月の資料集は大学図書館や研究所の資料を中心に収集し、多くの基本資料が入手できた。特に、5月にASEAN中核性に関する最新の文献資料収集を東京の外務省資料館と千葉のアジア経済研究所にて行い、予想以上の成果を得ることができた。 4度目となる海外調査は、8月6日から9月3日までの29日間、フィリピン、ベトナムとタイにおいて実施した。フィリピンでは、デラサール大学とフィリピン大学でのフィリピン外交専門の研究員と意見交換を行い、フィリピン外務省における意見交換と資料収集ができたことは大きな収穫であった。ベトナムでは、ベトナム国立大学の東アジア研究員との会合とともに、経済省と外務省ASEAN局の上級役員との面談は、ベトナムの地域問題を考慮するうえで貴重な意見交換となった。最後のタイでは、チュラロンコーン大学とタマサート大学のASEANセンターにおいて、ASEAN研究者との意見交換と資料収集ができた。特に、ASEAN共同体に関してのタイ外務省関係資料が外務省の資料室で閲覧できたことは今回の貴重な成果となった。 11月には国内調査を外務省資料館とアジア経済研究所にて行い、予想以上の成果を得ることができた。外交資料館では、日本政府の関係資料が見つかり、ASEAN中核性を判断する際に重要な資料となりうることから、実りの多い調査であった。また、アジア経済研究所では、ASEAN共同体に関する新聞記事を含む最新資料が多く見つかるなど、今回も有意義な調査となった。特に、ASEAN経済共同体に関連する資料が多く得られたことなど、3年間の集大成としての報告書をまとめるために必要な情報が入手しえたことが何よりも大きな収穫であった。
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