本研究は、東アジア共同体の実現における東南アジア諸国連合(ASEAN)の中核性仮説に関する総合的研究である。東アジア地域の安定と繁栄を築くための東アジア共同体の可能性を検証する上で、東南アジア共同体の実現に関連する「ASEAN中核性」仮説が注目されている。本研究では、「ASEAN中核性」を構成する3つの命題を提示し、それらの実現可能性を政策論的観点から検証する。第1の命題は、ASEAN共同体をどのように構築するか、第2は、ASEAN憲章を効率的に実施できるか、第3が、市民社会に支えられたASEANを創出できるのか、である。
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