研究概要 |
研究は順調に進捗し、貨幣の価値そのものへの信頼によって、内政的に価格が硬直的となることを理論的に証明することに成功した。つまりミクロ経済学の守備範囲とする物々交換の経済では、価格は需給を均衡させるように決定されると想定され、貨幣経済の分析が中心となるマクロ経済学でもその考え方が踏襲されてきた。しかし貨幣経済においては、価格(あるいは物価)は、将来の貨幣価値の合理的予想に支配され、需給の調整能力を持つとは限らないことを、理論的に証明した。 成果物としては、『貨幣・雇用理論の基礎』(勁草書房2011年12月:単著)、『金融システムと金融規制の経済分析』(勁草書房2013年7月:共編著)『国際金融・経済成長理論の基礎』(勁草書房2013年12月)の三冊の著書のほか、英文査読誌であるTheoretical Economics Letters誌、Modern Economics誌、Environmental Systems Research誌に計20本(二本を除きすべて単著)の論文を掲載した。この他、Western Economic Association International, ternational Atalntic Economic Society, International Evironmental Workshop, Asia Pacific Economic Associationの海外の学会で研究成果を逐次報告し、開発した理論の普及に努力するとともに、すべての学会で座長・討論者も務めた。
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