研究課題/領域番号 |
23530222
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
七條 達弘 大阪府立大学, 経済学部, 准教授 (40305660)
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研究分担者 |
青柳 真樹 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (50314430)
草川 孝夫 広島修道大学, 経済科学部, 准教授 (00412289)
福田 恵美子 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 電気情報学群, 講師 (50546059)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ネットワーク外部性 / 電気自動車 / 実験経済学 |
研究概要 |
EVは、マンション等の給電施設や外出先での急速充電などが整備されないとその価値が高くならず、それら給電設備はEVが普及しないと普及しにくいという、ネットワーク外部性がある財であり、その性質ゆえに、初期の状況では販売が困難となっている。本年は、ネットワーク外部性一般の理論の分析を中心に行った。【理論結果】本研究で取扱う理論には、大きく分けて不完備情報ゲームのモデルと完備情報の割引因子1未満のモデルがある。それぞれ、以下の結果を得た。(1)[不完備情報ゲームのモデル]ネットワーク外部性がある財において価格付けのメニューを提示して販売するメカニズムについて分析を行った。対称性がある場合の最適な制度を求めた。さらに、Group Strategy Proof を満たす制度の性質を求めた。(2)[完備情報、割引因子1未満のモデル]ネットワーク外部性があるSNSのモデルについて分析をし、活性化させるための報酬制度を求めた。また、参加コストがある場合のマルコフ完全均衡を求め、その結果を用いて、参加コストがある場合の活性化を行う報酬制度を求めた。このモデルを供給量に制約があるモデルへの拡張が検討された。【実験結果】実験については、ネットワーク外部性がある財の販売促進制度について、パラメータを変化させてえられる類似の制度と比較して、有意に販売促進効果があるか否かが検証された。その結果、他の制度よりも有意に販売促進効果があり、社会的余剰を上昇させる事が分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論分析および実験分析をおおむね計画どおり実施しているため
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今後の研究の推進方策 |
補完財がある場合の実験を実施する。理論については、既存のモデルを元に「プレイヤーに行動を選択できる機会がランダムに与えられる形に修正したモデル」「完全な耐久消費財ではない形に修正したモデル」、「連続時間に修正したモデル」、「(通常の)外部性とネットワーク外部性の両方がある財のモデル」等について研究を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
科研の研究打合せの研究会を5月に開催する。研究会の議論を踏まえ、補完財がある場合の実験を実施する。被験者報酬と実験補助者に対する報酬をあわせて1セッションあたり16万円程度実験を6セッション程度実施する。
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