研究課題/領域番号 |
23530222
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
七條 達弘 大阪府立大学, 経済学部, 教授 (40305660)
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研究分担者 |
青柳 真樹 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (50314430)
草川 孝夫 広島修道大学, 経済科学部, 准教授 (00412289)
福田 恵美子 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, その他部局等, 講師 (50546059)
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キーワード | 電気自動車 / EV |
研究概要 |
本研究で取り扱うモデルには、大きく分けて不完備情報ゲームのも出ると完備情報の割引因子1未満のモデルがある。理論と実験の両面で、それぞれ以下の結果を得た。 【理論結果】(1)[不完備情報ゲームのモデル]本研究課題に関する分担者の論文が査読付き雑誌に掲載された。実験計画に従い補完財がある場合のEV普及促進策のモデルを構築した。 (2)[割引率1未満のモデル]前年度に構築したモデルをより一般的な形に拡張し、マルコフ完全性均衡に限定せず、部分ゲーム完全均衡での解を得て working paper にまとめた。 【実験結果】(1)[不完備情報ゲームのモデル]上述の理論結果にある補完財がある場合のEV普及促進策について実験を行った。その結果、一定の促進傾向が確認する事ができた。しかし、実用性を考えると高い確率での成功を必要があり、十分な結果とはいえない。そのため調整が必要である。 (2)[割引率1未満もモデル]割引率1未満で非可逆投資があるモデルの実験を実施した。その結果、EVの普及によりパレート効率が達成される状況でも、ガソリン車から得られる効用が高いとEVへの移行が進まない事が確認された。普及促進策の一つとしてガソリン税を高くしたりガソリン車にかかる税金を高くする等の手法が検討されている一つであるが、それが有効である事が分かった。また、ハイブリッドカーの進化がむしろEVの普及を遅らせる可能性がある事が示唆されているが実験状況でも、そのような事が起こりえる事が確認できた。また、今回の実験は本研究で考案した特殊な普及促進制度の実験に対する対照実験としての意義もある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
補完財がある場合の実験の結果は、普及促進の効果が十分ではなかった。そのため見直しが必要となっている。
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今後の研究の推進方策 |
人数を増やした場合の実験を先行して実施する。並行して補完財がある場合の実験デザインについて新しいデザインを考案する。
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次年度の研究費の使用計画 |
人数を増やした場合の実験を6セッション程度実施する。また、補完財がある場合の実験についても新しいデザインで実験を実施する。
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