研究課題/領域番号 |
23530240
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
松野尾 裕 愛媛大学, 教育学部, 教授 (30239058)
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キーワード | 相互扶助 |
研究概要 |
本研究の目的は、大正期から昭和期の日本において誕生・成長した協同組合運動と農村共同体運動に着目して、近代日本における相互扶助の思想とその実践を掘り起こし、それらの可能性と限界を解明することである。 平成24年度は、北海道において酪農組合を創設した栗澤酉蔵と、その活動を消費組合運動の立場から支援した賀川豊彦との関係について、前年度おこなった文献蒐集及び現地調査に基づき、先行研究文献、伝記的文書等について綿密に再検討し、詳細な分析を行った。その成果を日本経済思想史学会平成24年度第1回例会(7月14日、於慶應義塾大学)において発表した。さらに論文「二人の協同組合主義者-黒澤酉蔵と賀川豊彦」をまとめ、同学会誌『日本経済思想史研究』に投稿し、掲載予定となっている(印刷中)。 10月27日から10月29日まで長野県小県郡・上田地域において、戦前期の農民組合及び「農民美術運動」に関する現地調査を行った。上田図書館、山本鼎記念館、上田市立博物館他において、農村副業として「農民美術」というユニークな取り組みを展開した山本鼎を中心とする一群の人々の思想と行動に関する資料を蒐集すると共に、数人の関係者へのインタビューを行った。今回の調査では、「農民美術運動」が単に一部の美術家たちによる取組であったのではなく、農業再建・自立への普遍的な展望を備えたものであったことを見出した。蒐集した諸資料の分析は次年度以降の課題とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画では平成25年度に中間報告として研究成果の一部を公表することとしていたが、24年度中に研究成果を学会発表するとともに、論文1本を学会誌に投稿し、掲載されることとなった(印刷中)。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の研究の遂行状況を総括したうえで、年度計画の調整を図り研究を推進する。 平成25年度は一層の文献調査を進めるとともに、現地調査にも取り組む。それらの結果を踏まえて、諸資料の分析、考察を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)引き続き継続的に文献資料の蒐集を進める。 (2)現地調査を実施する。
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