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2011 年度 実施状況報告書

金融危機の時系列分析

研究課題

研究課題/領域番号 23530248
研究機関千葉大学

研究代表者

大鋸 崇  千葉大学, 法経学部, 准教授 (50326005)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード経済統計 / MCMC / 時系列解析 / ボラティリティ-変動モデル / マルコフ切替モデル / 状態空間モデル
研究概要

本年度は,まず,研究環境の整備を行った.デスクトップPCを購入し,研究に必要なコンピューター環境の整備を行った.また,データ整備用にノートPCを一台,プレゼンテーション用に小型のノートPCを一台購入し,同様に環境整備を行った.アプリケーションおよびデータに関してはできる限り無料のものを使用した.研究においては,まず,景気の計量モデル化に主眼を置き研究を行った。特に、内生的に決定される景気を計量モデルにどのように取り扱うかが課題となった。『ベイズ計量経済学的に景気を捉える』では、景気変動の計量モデルについて、先行研究のサーベイを行った。近年の時系列分析におけるベイズ統計学の利用は不可欠となり、必要な研究であった。また,「5th Japanese-European Bayesian Econometrics and Statistics Meeting」(Norges Bank,Oslo,2011年8月23日~24日)において『In-sample and Out-of-sample Prediction for Japanese Composite Index』を発表した.この研究により,景気動向指数(CI一致)の統計的な性質が明らかとなり,金融危機時における予測可能性を見いだした.金融危機においては,マクロ,ファイナンスデータにおいて,ボラティリティーの変動を考慮した分析が必要不可欠である.『Sampling Markov Switching EGARCH Parameters』においては,代表的なモデルであるEGARCHモデルに構造変化を導入し,その効率的なサンプリング方法を示した.この研究は,科研費研究集会「ベイズ分析のための数値計算技法とその経済・ファイナンス分析への応用」」(下関市立大学唐戸サテライトキャンパス,2011年11月19日~20日)において発表された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の研究計画としては,(1)環境整備,(2)サーベイ,(3)研究発表が当初の研究計画で予定されていた.(1)に関しては,3台のPCを購入し,アプリケーションやデータの整備は完了し,予定通りに計画が遂行されている.(2)に関しては,『ベイズ計量経済学的に景気を捉える』という論文をまとめ,近年の景気分析のサーベイを行った.また,論文にはまとめていないが,ボラティリティー変動モデル,マルコフ切替モデル,状態空間モデル等の分析方法についてのサーベイも完了しており,この項目についても,予定通りに計画が遂行されている.(3)についても,『In-sample and Out-of-sample Prediction for Japanese Composite Index』,『Sampling Markov Switching EGARCH Parameters』という研究について研究会において発表を行い,内外の研究者との意見交換を行い,多くの知見を得た.以上のように,当初の研究計画から外れることなく,順調に研究は進展している.

今後の研究の推進方策

前年度に引き続き基礎研究および実証研究を行う.初年度に得られた知見をもとに研究発表および他の研究者との意見交換に重きを置いて研究活動を行う.また,内外を問わず,より多くの学会や研究会で発表を行い,広く意見を求めよりよいモデルを構築するために努力する.得られた知見は論文にまとめ査読誌に投稿し,広く内外に研究成果を発表する.具体的には,6月に開催されるISBA(京都)およびJEuBes(千葉大学)での発表を予定している.また,JEuBesは本科学研究費補助金により共催され,内外から多くの研究者の参加が予定されている.

次年度の研究費の使用計画

書籍,コンピューター関連消耗品,事務用文具に加え,研究発表を行う旅費が必要である.本年度は,日本経済学会,日本統計学会,ISBAへの出張が現時点では予定されており,さらに年度後半にも学会出張を行う予定である.また,JEuBesが本務校である千葉大での開催が決定しており,本科研の資金による運営を行う予定である

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ベイズ計量経済学的に景気を捉える2011

    • 著者名/発表者名
      大鋸崇
    • 雑誌名

      千葉大学経済研究

      巻: 26巻第2号 ページ: 85-108

  • [学会発表] In-sample and Out-of-sample Prediction for Japanese Composite Index2011

    • 著者名/発表者名
      大鋸崇
    • 学会等名
      5th Japanese-European Bayesian Econometrics and Statistics Meeting
    • 発表場所
      Norges Bank,Oslo, Norway
    • 年月日
      2011年8月24日
  • [学会発表] Sampling Markov Switching EGARCH Parameters2011

    • 著者名/発表者名
      大鋸崇
    • 学会等名
      科研費研究集会「ベイズ分析のための数値計算技法とその経済・ファイナンス分析への応用」
    • 発表場所
      下関市立大学唐戸サテライトキャンパス
    • 年月日
      2011年11月19日

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公開日: 2013-07-10  

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