研究課題/領域番号 |
23530248
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大鋸 崇 千葉大学, 法経学部, 准教授 (50326005)
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キーワード | 時系列解析 / ベイズ統計学 / マルコフ連鎖モンテカルロ法 |
研究概要 |
本年度は主として、現在行っている研究について研究発表を行い、議論を深めることに注力した。 研究集会「計量経済分析の最近の展開」(長崎県立大学佐世保校、8月17日・18日)では、『東日本大震災が証券市場に与えた影響』を発表した。この研究は、東証株価指数および業種別TOPIXを用いた実証研究であり、東日本大震災前後で株式市場のリスク尺度として代表的なベータリスクの時系列特性がどのように変化したかを分析したものである。代表的な分析結果として、東京電力の株価を含む電気・ガス業では、震災後リスクが上がり、TOPIXへの連動性が高まったことが確認された。またこの研究は、研究集会「マクロ計量経済分析の最新の展開」(長崎県立大学佐世保校、3月22日)でも発表を行った。 また、日本経済学会2013年度春季大会(富山大学6月22日、23日)、日本統計学会2013年度統計関連学会連合大会(大阪大学9月8日~11日)に参加し、関連分野について議論を深めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の研究計画として、基礎研究および実証研究を予定しており、これは、当該年度中に『東日本大震災が証券市場に与えた影響』を発表し、内外の研究者と議論を行い、それを元に論文として投稿する段階に来ている。平成24年度に発表した研究論文『Sampling the EGARCH Parameters』は、投稿準備に入っている。国内の若手研究者との共同研究プロジェクトも行っており、十分に平成25年度の目標は達成されたと考えられる。一方、本科研で共催予定であったJEuBes2013が開催延期になったことが悔やまれる。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き基礎研究および実証研究を行う。平成23、24、25年度に得られた知見をもとに研究発表および他の研究者との意見交換に重きを置いて研究活動を行う。また、内外を問わず、より多くの学会や研究会で発表を行い、広く意見を求めよりよいモデルを構築するために努力する。得られた知見は論文にまとめ査読誌に投稿し、広く内外に研究成果を発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度夏期にスイスにおいて開催予定であった、国際研究集会JEuBes2013を本科研費により共催し、参加するための旅費として使用する予定であった。しかし、主催者の一人であるWolfgang Polasek教授(IHS, Wien)の病状が悪化し、その後、残念なことにPolasek教授が亡くなったため、JEuBes2013は無期延期となった。これにより、未使用額616810円が発生した。 ISBA2014等、国際学会や国内開催の学会における、研究発表への資金(参加費、旅費等)としての利用を予定している。それに伴い、論文作成に必要な諸処の費用としての利用を予定している。
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