研究課題/領域番号 |
23530266
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
佐野 孝治 福島大学, 経済経営学類, 教授 (10245623)
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研究分担者 |
坂本 恵 福島大学, 行政政策学類, 教授 (90302314)
村上 雄一 福島大学, 行政政策学類, 准教授 (10302316)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / 外国人労働者 / 韓国 / 台湾 |
研究概要 |
本研究の課題は、日本・韓国・台湾における外国人労働者政策と支援システムの実態について、統計分析、文献研究およびアンケート調査、ヒアリング調査をもとに比較分析することである。また日本における研修生・技能実習生の就労・生活の実態をアンケート調査、ヒアリング調査により明らかにする。さらにこの実態調査と比較分析をもとに外国人労働者と共生していくためのアクションプランを策定する。 この目的を達成するため、平成23年度は、研究計画に従い、以下の研究を行った。 第一に、日本、韓国、台湾において公表された外国人労働者に関する統計データや先行研究文献を収集するとともに、分析を行った。第二に、東日本大震災後の県内に住む「外国籍住民の被災・避難生活に関する緊急調査」を実施し、生活上の困難さの実態を把握するべく、インタビュー調査を実施した。これにより多文化共生の視点を入れた復興ビジョンへの示唆を与えることができたと考える。第三に、外国人研修生について、弁護士らと協力しながら支援するとともに、支援ネットワークの構築を図った。第四に、台湾におけるフィールドワークを実施した。当該年度は台北市の外国人労働者相談センターなど外国人支援団体・機関のヒアリング調査を行った。 最後に、東日本大震災により、当初予定していた、韓国へのフィールドワークは中止せざるを得なくなったが、外国人労働者政策の前提となる韓国経済の現状を分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東日本大震災と原発事故に見舞われた福島では、当初事故対応に公私ともに追われ、研究の達成が危ぶまれた。しかし東日本大震災・原発事故以降における外国人の生活実態調査および多文化共生の視点からの福島の地域コミュニティ再生に関する研究を協力して実施したことは意義があるといえる。また台湾へのフィールドワーク、外国人研修生に対する支援も着実に実施しており、「おおむね順調に進展している」と自己評価している。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、研究計画に従い以下の通り実施する予定である。1.文献収集と分析の実施。2.日本国内の外国人労働者支援団体・機関に対するアンケート調査。地方自治体、中小企業団体中央会、外国人労働者支援NGOを対象とし、郵送により発送・回収する。3.韓国におけるフィールドワークの実施、当該年度は韓国系中国人の密集地域であるソウル市内の九老区の政府系機関、市民団体、協会など対象にヒアリング調査を実施する。4. 台湾におけるフィールドワークの実施、当該年度は台北市における外国人労働者の支援システムを明らかにするため、台北市労工局、市民団体などに対するヒアリング調査を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
主な支出項目として、韓国と台湾におけるフィールドワークに必要な旅費と資料などの物品費の使用を予定している。
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