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2012 年度 実施状況報告書

ソフトウエア産業による日本経済成長への貢献に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23530267
研究機関筑波大学

研究代表者

S.J Turnbull  筑波大学, システム情報系, 准教授 (90240621)

キーワードソフトウエア産業国際比較
研究概要

ソフトウエア産業が知的資産保護部門とオープンソースソフトウエア(OSS)部門に分かれた場合に適切な経済成長モデルの提案(主に労働市場やソフトウエア産業の生産関数を従来の研究と異なる)、Cobb-Douglas型効用関数や生産関数のケースには定常状況と比較動学的分析を行った。主な結果としては(1)パラメター全域でOSS部門が定常状態で存続すること、(2)資産部門でOSSが使用できると使用できないの2つの仮説を比較し、効用•生産パラメターによってどちらがOSS部門と、全ソフトウエア産業の成長をより大きくさせるかが異なる。現在、欧米のソフトウエア産業と比べて多少遅れている日本のソフトウエア産業にはOSSが刺激を与えることが考えられる。
刺激になるかならないかについては、日本で活発的なOSS部門が育てられるかどうかによって左右される。現在、欧米と日本を比べたら欧米のOSS部門が圧倒的に強いといえる。近年成功をあげているPython言語と関連しているソフトウエアの開発者へのヒアリング調査を行って、その姿を明らかにしている。中間の結果としては、「ソフトウエア開発の強い国」について聞かれた場合には、アメリカが圧倒的に強くて、次は欧州の主な国であり、そして将来に期待しているのがインドと中国である。逆に日本はあまり注目されていないという。その背景に踏まえて、日本のOSS開発者のヒアリング調査と比較分析をこれから予定してる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

(1)産業成長モデルで一般的な定理が望ましいが、ソフトウエア産業が従来の多部門モデルの定理に必要な条件を満たせない。モデルを改善したり、新定理を証明したりする必要がある。
(2)まだヒアリング調査の経験が不足で予定されたメールや電話などのインタービューがうまく行かなく、やはり顔を合わせなければならないのです。PyCon USという大会へ参加し、あそこで言語の開発者とアプリケーション開発者に数日のうち何十人の面接ができたが、3月中旬で行われるのでデータ収集が遅れました。

今後の研究の推進方策

(1) 理論的な定理を一般化する。まず、既存研究でより一般的な定理を探り、なければ新定理の証明を試みながらシミュレーションでより幅広い例を知られる方法を予定している。論文をまとめて産業経済の専門雑誌へ投稿する予定。
(2) PyCon2012, PyCon2013 で行ったインタービュー記録を整理して(トランスクリップトを作成、日本語に翻訳)から暫定分析を行う。
(3) (1) と (2) の結果に基づいて日本のOSS開発者のヒアリング調査を行います。「日本のPython」を位置つけられた Ruby 言語の開発者と数人のアップリケーション開発者に連絡済みだが、インタービューの実施に進む。インタービューの記録を整理して(トランスクリップトを作成、英語に翻訳)から比較分析を行う。論文にまとめて、開発者大会(PyCon, RubyWorld)で報告し、AJBS, AIB, JAASなどの大会での発表を目指す。ソフトウエア人材管理の専門雑誌へ投稿する予定。

次年度の研究費の使用計画

データ整理、翻訳などの研究補助のための人件費(50千円)。データ保存用メディア、印刷用消耗品などの雑費(50千円)。研究資料(50千円)。
ヒアリング調査のための国内旅費(100千円)。
研究報告のための国内旅費(50千円)。
研究報告のための海外旅費(200千円)。
計500千円。

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公開日: 2014-07-24  

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