研究課題
2014年6月にモントリオールで開催された国際文化経済学会大会に参加し、An economic analysis of craftという共同論文を発表した。これは、クリエイティブ産業の中でも、近年、地域経済や都市の活性化と関わって注目され始めたクラフト(工芸)産業に着目した国際比較研究の成果である。討論では、ユネスコ統計局の研究者も加わり、量的な国際比較の必要性等について議論された。この大会では、文化会計勘定に関する特別セッションもあり、文化会計勘定の国際的な潮流についても知ることができた。クリエイティブ産業と著作権に関する発表も聞くことができ、この分野の研究の潮流を知ることができた。また、9月には、ドイツのヒルデスハイムで開催された国際文化政策学会で、Public digtal libraries and cultural policy: A case study of "Singapore memory project"という共同論文を発表した。デジタル化に伴って著作権の権利処理やクリエイティブ産業の産業組織は大きな影響を受けており、この共同研究は「デジタル化」に焦点を合わせたものであった。2015年3月には、オランダ・エラスムス大学を訪問し、C.Handke准教授には著作権と経済をめぐる最新の実証研究について示唆をいただいた。その中の1つは、The Value of online licenses for recorded musicという論文で、違法ダウンロードに対する民間の集合的補償システムの有効性について実証的に明らかにしたもので、注目に値する。この研究は、著作権管理団体等の民間団体が違法ダウンロードによって侵害される収益を集合的に補償するシステムを採用することが、レコード音楽の生産者のみでなく消費者の利益にもなることを示唆している。
摂南大学の様々な研究について、産学官連携のシーズとなる研究を掲載している。本研究も、シーズの1つとして掲載されている。
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文化経済学
巻: 第12巻第1号 ページ: 109-113
都市計画
巻: Vol.64 No.1 ページ: 48-53
巻: 第11巻第2号 ページ: 47-49
地域経済学研究
巻: 第28号 ページ: 26-32
http://www.setsunan.ac.jp/kenkyu/shien/seeds.html