クリエイティブ産業と著作権に関する研究は、主に音楽産業を対象として、違法コピー(ファイル・シェアリング)の影響分析が行われてきた。 本研究は、これらとは異なり、従来の研究で無視されてきた著作権と契約の問題に光をあてた。クリエイティブ産業は創造と単調な労働との契約による結合である。かつて、日本では、アニメーション制作会社とテレビ局の間の著作権の帰属と収益配分に関して、公正取引委員会が調査を行ったこともある。本研究は、こうした日本の現状と海外の研究を踏まえたもので、その成果は、国際学会での発表や、単著『クリエイティブ産業の経済学:契約・著作権・税制のインセンティブ設計』(有斐閣)に公表された。
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