• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

日本の乳業および乳製品市場のグローバル化に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23530272
研究機関東京大学

研究代表者

矢坂 雅充  東京大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (90191098)

キーワード日本の乳業 / アジア / 海外事業 / ミルクチェーンとの連携 / 牛乳乳製品
研究概要

日本の乳業は国産原料乳を加工処理した牛乳乳製品を国内市場で販売するという市場構造のもとで、海外市場での事業展開には相対的に消極的な食品産業であった。しかし、アジアでの牛乳乳製品需要の拡大や日本国内での消費減少見通し、生乳生産の減退傾向を背景にして、アジア諸国での乳ビジネスの開発・拡大に意欲的に取り組むようになった。
本研究では、以下の事例について調査研究を行った。①キリンHD-オーストラリアの乳業メーカー買収によって大手乳業メーカーとなったものの、乳ビジネスの管理運営が難しく、合併による収益の改善を阻害している要因、②(株)明治-上海での日本産の牛乳・乳製品、豪州産の育児用粉乳輸入販売事業の中止、蘇州工場でのヨーグルト、生クリーム事業の開始の背景と課題、③(株)明治-タイのチルド牛乳事業の成長を支えてきた要因と現状における課題、④(株)雪印メグミルク-インドネシアでのチェダープロセスチーズ事業の背景と今後の展望が主な海外の乳ビジネスの調査事例である。
これらの調査をつうじて、海外事業では原料乳の調達と製品の販売が重要な課題となっており、提携関係を築けるパートナー企業の選択や相互連携のあり方の差異が、乳ビジネスが直面する問題やその処理・解決のあり方を左右していることが理解された。日本の乳業メーカーは総じて原料乳の処理・製品製造における技術開発や品質管理を担当しており、生乳調達や製品販売については、海外の酪農企業や商社などに委託していることが多い。原料乳の安定的な調達や品質改善については、日本での経験が活用できるといえよう。一方、製品の販売については、品質管理や販売促進、債権回収などは現地の商慣習や小売市場の特質を踏まなければならず、日本の乳業メーカーと流通事業者との提携内容が重要な課題になっていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 中国酪農の変貌2013

    • 著者名/発表者名
      矢坂雅充
    • 雑誌名

      農村と都市をむすぶ

      巻: No.744 ページ: 39-50

  • [雑誌論文] 酪農産地の乳業工場への期待2013

    • 著者名/発表者名
      矢坂雅充
    • 雑誌名

      農村と都市をむすぶ

      巻: 746 ページ: 23-29

  • [雑誌論文] フードチェーンシステムからみた農場HACCP2013

    • 著者名/発表者名
      矢坂雅充
    • 雑誌名

      畜産コンサルタント

      巻: 567 ページ: 12-15

  • [学会発表] Dairy policy reform vision for Japan

    • 著者名/発表者名
      矢坂雅充
    • 学会等名
      International Dairy Federation
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
  • [図書] 強い酪農を目指して2013

    • 著者名/発表者名
      矢坂雅充
    • 総ページ数
      100(38-47)
    • 出版者
      デーリィジャパン社
  • [図書] 製配販をめぐる協調と対抗2013

    • 著者名/発表者名
      矢坂雅充
    • 総ページ数
      267(241-267)
    • 出版者
      白桃書房

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi