新しいタイプの小型世界経済計量モデルを開発し、各種のシミュレーション分析を行った。いわゆる誤差修正モデルを用い、ケインズ型の短期の需要構造変化と新古典派的な長期均衡への収束の双方を整合的に扱っている。モデルは将来への期待変数を含んでいる。対象とした国、地域はアメリカ、中国、日本、EU及び韓国で、これらの国間の貿易構造の変化を同時に扱っている。各国の経済政策の波及をみると、中国の世界経済におけるプレゼンスが拡大しているものの、日本やアメリカが中国に与える影響が大きく、逆の影響はまだそれほど大きくない。また、為替レートを例にして各国の最適な政策をゲーム論的にシミュレーションして評価した。
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