研究課題/領域番号 |
23530298
|
研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
藤野 敦子 京都産業大学, 経済学部, 准教授 (50387990)
|
キーワード | フランス |
研究概要 |
本研究は、グローバル化、雇用の流動化等が進展する中での人々の仕事や働き方の実態を考察し、それが家族形成や家族規模に与える影響を研究することを目的としている。本研究には、二つの視点、つまり「日本と欧州のケース」及び、「発展途上国のケース」があり、それぞれに研究を進めてきた。 「日本と欧州のケース」に関しては、日本とフランスの国際比較をするため、日仏の母親のキャリアに関するアンケート調査を両国において実施する予定であった。日本におけるアンケート調査に関しては、2013年1月26日~2月1日にWeb上で1500人の母親(30代、子どもが一人以上いる、学卒後雇用者として働いた経験がある)を対象に実施することができた。そこから、正社員として働く母親の割合は非常に少ないものの、正社員として働く母親の理想子ども数、予定子ども数は、非正社員として働く母親、専業主婦のそれらよりも多いこと、また、子育てが楽しいといった子育て意識に関しても正社員の母親の方がポジティブであることなど興味深い結果が示された。フランスにおけるアンケート調査に関しては、平成24年度には実施することができなかったため、平成25年度に実施する予定である。しかしながら、日本のアンケート調査を通じ、日本のカップルの家庭と仕事の両立における課題が明らかとなり、2013年3月24日に行われた、「フランスに学ぶ少子社会からの脱却―ジェンダー平等の視点から―」と題する国際フォーラムにおいて、「日本のカップルの家庭と仕事の両立における課題」を早速報告することができた。 「発展途上国のケース」では、日本の歴史から児童労働やジェンダーと人口問題を考察してきたが、これに関しては、アジア経済研究双書「日本の児童労働-歴史にみる児童労働の社会・経済メカニズム-」とする論文においてまとめることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、日本とフランスのアンケート調査に関して、日本及び、フランス双方に関してのアンケート調査を平成24年度中に実施し終わる予定であった。フランスのアンケート調査票を作成するにあたっては、十分な事前調査と質問事項の検討が必要なため、平成24年度には実施し終えることができず、平成25年度に持ち越された。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は8月にフランスのアンケート調査質問票を作成する予定である。日本で実施したアンケート調査と国際比較できるよう、フランス人研究者などとも議論しながら、質問票を作成したい。アンケートの対象者は日本と同じく、フランス国内に住むフランス人の母親(30代、学卒後雇用者として働く、子どもが一人以上)1500人を対象とし、Web調査で実施する。 日仏のデータを分析し、なぜ日本では、既婚女性のワーク・ライフ・バランスが難しいのか等を探る。これらの結果を、学会、専門誌などで報告したい。
|
次年度の研究費の使用計画 |
日本とフランスのアンケート調査に関して、日本及び、フランス双方に関してのアンケート調査を平成24年度中に実施し終わる予定であった。しかしながら、フランスのアンケート調査票を作成するにあたっては、十分な事前調査と質問事項の検討が必要なため、平成25年度に持ち越された。そこで、平成24年度の繰り越し金と平成25年度の研究費は、フランスのアンケート調査質問票の作成のために使用する。より具体的には、アンケート調査の作成時に、フランス人研究者等と情報提供をしてもらうために謝金、アンンケート調査の質問票のフランス語の校閲の費用、Web調査をするため民間調査機関への委託費用として使用する。
|