本研究には、三つの課題があり、以下のような成果が得られた。 一つ目は、以前に実施したアンケート調査のデータから非正規雇用に就く若年層の出生意欲を国際比較することである。分析の結果、フランスでは非正規雇用男性の出生意欲は正規雇用男性よりも高いのに対し、日本では逆であった。二つ目は、日本の30代の母親1500人にアンケート調査を実施し、キャリア継続の実態や出生意欲を分析することである。学卒後85%が正社員勤務していたが現在は、60%が無業となり、無業女性は現在正社員女性よりも出生意欲が低かった。三つ目は、日本の児童労働の歴史を概観することである。貧困、人口、ジェンダー等の相互関連性を見出した。
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