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2011 年度 実施状況報告書

環境市場の成長と政策効果に関するシミュレーション研究

研究課題

研究課題/領域番号 23530311
研究機関小樽商科大学

研究代表者

江頭 進  小樽商科大学, 商学部, 教授 (80292077)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードエージェント・シミュレーション / 環境市場 / ネットワーク分析
研究概要

本年度は,シミュレーション分析の下準備となるアンケート調査を3回に分けて行った。アンケート調査では,1,200名(うち有効回答数963)からアンケートを行い,ネットワーク分析をかけている。これに基づいて平成24年度は,環境市場のシミュレーション・モデル作成を進める予定である。 同時に複雑なシミュレーションを実行するために必要な多コアのワークステーションの準備が完了したので,現在は並列処理技術の習得段階に入っている。 また,本年度は,需要と供給以外の要素に基づいてもある程度の分散内で価格が決まる市場状況をしめした「進化経済学における市場理論─相対取引を前提として─」を刊行し,本書を掲載した編『進化経済学の諸潮流』の編集も行っている。このほかに,シミュレーション分析に基づいた2本の論文を学会報告している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度は交付申請書に記載された年度目標はほぼ達成されたと言える。シミュレーション作成の基本となるアンケートはほぼ集まり,ネットワーク・ハブに対する各エージェントの接点確率の導出を行っている。平成24年度はこの接点確率を利用して,コンピュータ上に作られた仮想市場と実際の市場の挙動の比較を行う予定であり,そのための準備はほぼ整いつつあると言える。 本来平成24年度に行う予定であったワークステーション導入が別経費で導入できたため,現在は並列処理の技術習得に時間と費用を振り向けることができている。これは予定されていたものより進んだ段階を達成している。

今後の研究の推進方策

平成24年度は,シミュレーション・モデルの作成が中心的な課題となる。ただし,今回はモデルの高度化を試みるために,これまで作ってきたシミュレーションモデルとは異なったプログラミング技術が必要とされる。そこで,平成24年度の前半は,並列処理技術の習得に費やし,8月頃から本格的にモデルの作成に入る予定である。 ここでは平成23年度に収集したデータが統計的に処理され,個々のエージェントの行動原理に反映される予定である。こうすることで無理なくコンピュータエージェントと実際の経済主体の行動をマッチさせたシミュレーション分析が可能となると考えられている。

次年度の研究費の使用計画

並列処理技術の習得およびモデルの作成を行う際に,研究代表者のみの能力では不足する場合が考えられる。そこで,より専門の知識を提供してもらうために北陸先端科学技術大学院大学の橋本敬教授および小樽商科大学沼澤政信准教授の知識提供を受ける予定であり,そのための謝金を用意している。 また本来平成24年度で整備予定であった演算用ワークステーションの導入が既に行われたためCPUの部分の経費が削減できている。そこで本年度はバックアップシステムとセキュリティの強化に費用をかけ計算結果等の保持と利用の利便性に注力する予定である。さらに,現在のワークステーションは,コンパイラ以外のソフトが入っていないので,結果の分析ソフト等も整備する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 市場におけるハイエク的競争過程のシミュレーション的表現2012

    • 著者名/発表者名
      江頭進
    • 学会等名
      進化経済学会
    • 発表場所
      摂南大学
    • 年月日
      2012年3月17日
  • [学会発表] ABSと接点確率を利用したネットワーク・マーケティング2012

    • 著者名/発表者名
      江頭進・斉藤 宗香 ・田口 仁
    • 学会等名
      進化経済学会
    • 発表場所
      摂南大学
    • 年月日
      2012年3月16日
  • [図書] 進化経済学の諸潮流2012

    • 著者名/発表者名
      八木紀一郎・服部茂幸・江頭進
    • 総ページ数
      310
    • 出版者
      日本経済評論社

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公開日: 2013-07-10  

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