研究課題/領域番号 |
23530312
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
藤本 典嗣 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (90455907)
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キーワード | 韓国 台湾 中国 |
研究概要 |
本年度は、前年度に収集された全上場企業の本社・支所(支社・支店・営業所・研究所)と省庁・都道府県による出先機関の立地・配置のデータを加工し、統計処理をおこなった。また、韓国、台湾の上場企業の本社・支所立地のデータについても収集をおこなった。また、グローバル化の影響により、東アジアにおける中枢管理機能の立地国として地位が上昇している中国における中枢管理機能の立地についても、各種資料よりデータ収集をおこなった。 研究成果については、中途報告として、7th China-Japan-Korea Joint Conference on Geography(2012年8月、中国・長春市)において、2本の報告を、他2名と共同による口頭発表を、ACMSA2012(2012年9月、中国・成都市)において、1本の報告を、口頭発表で、それぞれおこなった。また、中枢管理機能の立地から派生していると考えられる地域間の旅客流動に関して、北東日本を対象とした分析を、2012年5月に、「北東地域における県土構造とオフィス立地」(経済地理学会北東支部編『北東日本の地域経済』八朔社の第8章)というタイトルで発表した。 日本国内の中枢管理機能の立地に関しては、従来の研究では主要都市のみのデータ収集であったものを、本年度の研究では、定住自立圏という人口10万人未満の生活・都市圏域までを含んだ立地体系(都市システム)を把握した点、東アジアの中枢管理機能の立地に関しては、グローバル化、中国の台頭を踏まえた上での立地体系を把握した点に、研究上の特色がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ取集、研究成果の中途報告(学会発表、著書など)については、中枢管理機能の体系的把握という点で、研究目的の達成をおこなっている。現地調査である企業訪問やそれに伴うヒアリングや質問票の設定などにおいては、実施をしているものの、より詳細についての聞き取り調査という点では、不十分である。企業の中枢管理機能(本社・支所)の立地における地域的特色・国別を明らかにするために、より詳細かつ広範囲業種にわたる企業訪問が必要とされる。
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今後の研究の推進方策 |
収集されたデータを、客観的なマクロ経済指標との整合性をもたせた上での解析結果を、よりわかりやすく、地図化、図表化し、国内外の文献サーベイをより幅広くした上で、報告書の執筆作業に入る。また、企業訪問やアンケートなどで得られた実態調査についても、報告書の内容として織り交ぜていく。さらに、研究成果の中途報告として、関連する地域経済関連の国内、国際学会において、口頭報告を、継続していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
報告書の執筆にかかわる印刷費、学会報告(国内、国際学会)や現地調査(国内、韓国、台湾)に関する旅費などに用いていく。
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