本研究では、産業融合について理論的および実証的に分析を行った。結果は3点にまとめられる。第1に、産業融合の過程で異業種に属していた商品構成をどこまで拡張することにコミットするのかが企業間競争において重要となることを示した。第2に、産業融合が2面市場の性格を持つ結果、分配上の問題が発生し融合による市場の形成を阻害する可能性があることを示した。第3に、産業融合が全産業にわたる現象であることを確認し、産業融合と労働移動の代替性、産業融合と投資活動および研究開発活動との強い相関、垂直的統合の傾向との相関を確認した。
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