研究課題
本調査の最終年として、調査結果の取りまとめと政策提言の検討を中心に研究を行った。具体的には、初年度、2年度目における理論研究成果、東日本大震災からの復興実態調査等を踏まえ、英国における実態調査・先行事例研究を実施したうえで、日本におけるフル就業型地域再生への政策提案に関する検討を行った。英国では、社会企業の調査・実施において世界をリードするエジンバラCBSNetwork 、Yunus Centre, Glasgow Caledonian University において、フル就業政策に関わる意見交換を実施した。フル就業に向けた政策提案は、地域就業率の拡大に向けて、Employability向上、Decent Work の確保、Social Inclusion への視点などを核に、やや暫定的ながら提案構築に向けた試案を素材として、その可能性について議論を重ねた。東日本大震災における実態調査結果を踏まえ、政府、地方自治体、企業、NPO/社会的企業などが稠密な連携を形成するCo-ordination Policyの構築、政府の雇用・就業政策における縦割りの非効率からの脱却、多様な状況下にある失業者、とりわけ若年失業者にたいし、キャリア・パスをも考慮した選択肢の提示、内外労働市場を結びつける地域中間労働市場形成などを提案したところである。EUにおいては、1990年代以降CED(Community Economic Development)政策が実施されている。Social Enterprise の役割への期待は大きく、新たな主体の育成に関し、大学との連携も含めた育成策を提案したところである。少子高齢化が急進する日本において、フル就業社会の構築は喫緊の課題であり、政府・自治体による地域政策の重要な視点と位置づけた。
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Working Paper, Institute for Policy Analysis and Social Innovation, University of Hyogo,
巻: 224 ページ: 1-14
兵庫自治学
巻: 20 ページ: 16-19