研究課題/領域番号 |
23530334
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 金融機関 / 経済政策 / 合併 / イベントスタディー法 |
研究概要 |
本研究は金融機関の合併が借り手の企業に与える影響を分析するものです。このために(1)いくつかの異なるデータを統合してデータセットを作成し(2)予備分析を行い(3)予備分析の結果を学会で発表して見直しを重ね(4)最終分析結果を査読付雑誌に発表する、という研究計画を立てました。平成23年度はこの計画の最初の2つであるデータセットの作成と予備分析を行い、また当初考えていた分析手法を見直しました。以下、予備分析と分析手法の見直しについて記述します。予備分析では、2003年に行われたりそな銀行の国有化がりそな銀行を主要銀行に持つ企業に与えた影響を分析しました。まず上場企業のCumulative Abnormal Return(累積異常収益、CAR)をイベントスタディー法で推定し、推定したCARを主要銀行ダミーに回帰しました。分析結果からはりそな銀行の国有化が企業に影響を与えたことを確認できませんでしたが、今後は分析する合併を増やし、また長期の影響や株式市場以外の資金調達も分析していく予定です。分析手法の見直しは予備分析の結果とも関連しており、合併が企業に与える長期の影響や株式市場以外の資金調達も分析するため、またこの分野での最新の研究を反映させるためです。当初は通常のイベントスタディー法のみを考えていましたが、最新の研究を参照しつつ、分析手法を見直しています。例えば株価のみでなく借入金への影響を分析することなどを考えていますが、もう少し時間をかけて見直していく予定です。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上場企業のデータセット作成が順調に進展しているのですが、非上場企業のデータセット作成が少し遅れています。非上場企業は異なるデータセットに共通するコード(例えばTSEコード)を持たないため、データセット作成に予想より時間がかかっています。分析手法を見直したことも理由の1つです。
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今後の研究の推進方策 |
上場企業のデータセット作成が順調に進展しているのですが、非上場企業のデータセット作成が少し遅れている。非上場企業は異なるデータセットに共通するコード(例えばTSEコード)を持たないため、データセット作成に予想より時間がかかっています。分析手法を見直したことも理由の1つです。
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次年度の研究費の使用計画 |
学会参加のための旅行費用、研究助手の費用など。
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