本研究課題では、銀行合併が銀行の株価とパフォーマンスに与える影響を分析した。分析の結果、銀行合併によって合併行の株価が上昇することが分かった。特に資産規模80兆円を超えるメガ合併の場合、上昇が大きかった。しかし株価の上昇は短期的なもので、1年後には元に戻った。 次に財務データを用いて長期の分析を行った。分析の結果、銀行合併は合併行の収益性、健全性、効率性を低下させることが分かった。これはメガ合併の場合でも変わらなかった。これらから、合併行の株価が短期的に上昇するのは、投資家が安全な投資先を求めて「大きくてつぶせない」銀行に資本を移すためだと分かった。
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