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2011 年度 実施状況報告書

都市型工業集積における中小企業の存立状態

研究課題

研究課題/領域番号 23530338
研究機関日本大学

研究代表者

小林 世治  日本大学, その他の研究科, 准教授 (50215331)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード地域経済 / 産業集積 / 経済地理学 / 新地域主義 / 基盤産業説
研究概要

大田区の工業集積にかんする日本大学・経済学部の調査(代表:草原光明、以下「日大調査」)結果を踏まえ、研究協力者の高橋慎二と連名で日本中小企業学会の『論集』に査読論文を掲載した。内容は「研究目的」の前半に書いたとおりだが、後半部分そして「実施計画」に入る前に、都市型集積の今日における意義、より一般的には産業集積が地域経済に果たす役割について、理論的な整理が必要と思われた。主として経済地理学そして中小企業論における先行研究をサーベイし、今日の到達点を確認した(2012年1月12日・立命館大学経済学部研究会で報告)。(1)経済地理学:今日の地域経済発展に関する産業集積/クラスターの重視は、いわゆるニュー・リージョナリズムが背景にある。しかし、基盤産業やそれを構成する個別企業の発展と、地域の発展とは同一視できない。(2)中小企業論:渡辺幸雄『現代日本の産業集積研究』(2011年)は、これまで産業集積を手掛かりとする地域経済再生の理論・政策が、産業集積を「絶対視」したもので誤りであると批判した。(3)産業集積/クラスターのライフ・サイクル論:旧来の成熟産業地域(OIA/OIR)論とは区別して、地域イノベーション論の立場で、集積・クラスターが成熟し転換しなければならない課題を掲げた。総じて、特定産業集積/クラスターに依存する地域経済(その発展も)のリスクが再認識され、そもそも産業集積を形成しない地域経済のあり方も、オータナティブとして考えられる。しかし都市型産業集積が典型的には、そうした地方経済ではなく、「結節地域」としての性格が強い、大都市に発達していることから、「都市型」の特殊性により接近する必要が明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

大田区の工業集積の現状に関して、最新統計などを概観し、先行調査・研究の資料収集はほぼ終えた。しかし東日本大震災による影響(特需)があって、平成23年度にアンケートを行うことは適当でないと判断した。

今後の研究の推進方策

調査対象地域はほぼ固まっているので、早急に現地に入って第1次インタビューを行い、「日大調査」のアンケート項目を見直し、設計作業を開始する。平成24年度後半にアンケート配布・回収し、年度末、大阪地区での現地調査によって次のステップを準備する。

次年度の研究費の使用計画

アンケート作業の委託先、地域情報設計研究所とは予算見積もりを済ませている。研究費のほとんどはアンケート調査に関する「委託費」として使用し、インタビュー用にICレコーダーを購入する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 大田区・中小機械金属工業の構造変化―1998年・2008年調査結果を通して―2011

    • 著者名/発表者名
      小林世治、高橋慎二
    • 雑誌名

      日本中小企業学会論集

      巻: 30 ページ: 48~60

    • 査読あり
  • [図書] 岐路にたつ日本経済・日本企業2012

    • 著者名/発表者名
      小林世治
    • 総ページ数
      79~124
    • 出版者
      中央大学出版部

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公開日: 2013-07-10  

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