研究課題/領域番号 |
23530339
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
小沢 和浩 法政大学, 経済学部, 教授 (90233519)
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研究分担者 |
新村 隆英 法政大学, 経済学部, 講師 (20598792)
坂本 憲昭 法政大学, 経済学部, 教授 (70386324)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 電気自動車 / スマートハウス / シミュレーション / エネルギー / 太陽光発電 |
研究概要 |
研究協力者の高森氏の提案した「EV市場拡大予測モデル」に基づき、電気自動車の供給と需要およびその際の充電インフラの必要性について議論を深めた。ここでは、既存モデルの総合的な見直しと,これまで得られたデータを使った基本的な数値シミュレーションを行っている。またさらに、別なアプローチとして電気自動車の普及に関してのシナリオを第三世代ケータイ電話の普及の様子を参考に解析を進めた。具体的には、ケータイ電話の普及と通信基地局の設置数を電気自動車と充電スタンドの設置数に類推させることによりシミュレーションを行った。ここでの研究成果は成長モデルの検証である。電気自動車の開発状況や市場の動向などに関しては、学会参加や企業展示会を中心に情報収集を行っている。さらに、北米の状況に関しては新村が視察を行っている。また、3月12日に開催した研究会「電気自動車と充電設備の市場と課題」において議論を深めた結果、現状のモデルの不備な点や、充電設備設置の課題などが明らかになりつつある。つまり、各家庭での充電設備の設置をスマートハウスの一部として電気自動車と位置づけることも重要な要素であることが明らかになった。そこで、スマートハウスの現地調査や学会参加による情報収集も開始した。さらに、スマートハウスや電気自動車の効率的な充電のポイントとなる太陽光発電の効率利用に関しては天候のデータからその有用性を議論した。この結果は、2012年サンディエゴにて開催されるIEEEの国際会議で発表予定である。本年度に予定していた、電気自動車の普及を推進している自治体などの調査は、現在神奈川県や横浜市などを中心に継続的に情報収集を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画に関しての達成度は以下である。1.「既存モデルの総合的な見直しと,これまで得られたデータを使った基本的な数値シミュレーションをおこなう」ことに関してはおおむね順調に進展している。2.上記「初期シミュレーションの結果をメーカ(日産など)研究者および自治体(横浜市など)政策担当者に検討を依頼し,意見およびデータを収集する。同時に,研究分担者により,北米(カリフォルニアなど)の市場および政策調査を現地にておこなう。」に関しては、研究協力者やメーカ開発者などとの研究会を実施しおおむね順調に進展した。また現地政策調査に関しては、当初予定した北米がEVに関してあまり積極的な政策を打ち出していないことから成果は期待できなかったが、現状把握ができた点からは、おおむね順調に進展したといえる。3.「収集したデータにより,モデルを改良する。地域の専門家(メーカおよび自治体)との意見交換を定期的におこなう。」に関してはデータ収集を継続して行っている。また、電気自動車の普及のためのインフラとしてスマートハウス(自宅充電設備)を考慮に入れたため、データ収集や地域の専門家との意見交換の内容が拡大している。しかし、研究全体の位置づけとしてはおおむね順調に推移しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
電気自動車の開発状況や市場の動向などに関しては、学会参加や企業展示会を中心に情報収集を継続して行ってゆく。さらに、市場調査の対象を欧州(EU)地域に拡大し,データを収集する。ただし、北米での調査の反省からあまり比重を置くことはしない。また、本年度も「電気自動車と充電設備の市場と課題」を開催し、現状のモデルの不備な点や、充電設備設置の課題などさらに議論を深めたい。また、前年度より研究の比重が増した、各家庭での充電設備の設置やスマートハウスの一部として位置付けられた電気自動車の普及に関しても考察を行い、その普及のシナリオを予測する。さらに、電気自動車の普及を推進している自治体などの調査を、神奈川県や横浜市などを中心に継続的に情報収集を行ってゆく。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.PC関連品への支出:モデルの構築やモデルパラメータの決定などさらには、政策決定の数値シミュレーションなどをおこなうためのPCおよびPC周辺機器を必要とする。また、国内企業の調査にも携帯するためモバイルPCも必要とする。2.海外旅費および国内旅費:本研究には電気自動車の普及を促進するためのインフラ整備の状況など世界規模での調査が必要となる。国内企業調査はもとより、ヨーロッパ、アジア地区に分けて代表的な地域の調査が必須である。3.書籍、消耗品など:国内企業調査、および海外調査を行うために、カメラ、ビデオカメラ、ICレコーダは必要である。国内企業などの調査及び海外調査をおこなうための機器類である。4.研究会開催関連費、謝金、学会出張費:本研究で得られた成果を公開、議論、討論するための予算である。また情報収集のための学会参加費も含む。
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