研究課題/領域番号 |
23530342
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
浦坂 純子 同志社大学, 社会学部, 教授 (70289338)
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キーワード | キャリア教育 / 職業教育 / 知識教育 / インターンシップ / 留学生 / 普通科高校 / 就職活動 / 正課教育 |
研究概要 |
「キャリア教育」は、若者の安定的な就業を促すことを目指して推進されてきた。しかしながら、未だ方法論が確立されておらず、教育現場の実情に合わせて様々に解釈され、運用された結果、期待しただけの効果が得られず、弊害さえ生じていることが懸念されている。そこで本研究では、就職に直面している高校、大学・短大を「キャリア教育」の実施段階として個別に対象とし、正課教育・課外活動・就職支援と関連づけてその実態を把握しながら、卒業後のキャリア形成過程における状況を評価することを通じて、あり得べき姿を模索することを目的としている。 本年度の実績の第一は、過年度より継続的に実施している高校・大学教育における「キャリア教育」の実践に協力することを通じて、新たな事例の収集を手掛けたことである(合計4校)。 第二は、昨年度から留学生に特化したキャリア教育への関心を深めており、実施済みである調査票調査から得られたデータを用いて実証分析を行い、そのフィードバックを目的とするシンポジウムを開催したことである。留学生を中心に、大学関係者、企業関係者が100名以上参加し、知見を共有することができた。内容については、現在論文化を進めている。また、留学生と共に、中国の大学生が日系企業にどのようなイメージを抱き、どのような就業意識を持っているかを別途調査しており、在日留学生との比較を進めている。 第三は、キャリア教育と就業パフォーマンスに関するWEB調査の立案に着手したことである。社会人を調査対象とし、速やかに実施することで卒業のキャリア形成過程における状況を評価したい。同時に、中小企業を調査対象に、採用に関して10社余りの聞きとり調査を終えており、内容の精査を通じて量的調査の可能性を模索している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「キャリア教育」の事例の収集や、留学生に特化したキャリア教育に関する調査・研究・フィードバックについては、おおむね順調に進展していると考えるが、キャリア教育と就業パフォーマンスに関するWEB調査については、今年度中の実施予定が次年度に持ち越されたため、その点はやや遅れていると評価せざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
計画中のキャリア教育と就業パフォーマンスに関するWEB調査を速やかに実施することを第一とする。加えて、留学生に特化したキャリア教育に関する調査を論文化し、公表することを急ぎたい。なお、高校・大学での「キャリア教育」の実践などを通じた事例の収集は、次年度も継続する。
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次年度の研究費の使用計画 |
キャリア教育と就業パフォーマンスに関するWEB調査の実施を計画していたが、内容の検討に時間を要し、実査が次年度に持ち越されたため。 昨年度から検討を重ねているキャリア教育と就業パフォーマンスに関するWEB調査を、社会人を調査対象として実施する予定である。
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