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2011 年度 実施状況報告書

社会的選好と互恵的行動を導入したモデルによる財政的外部性問題の再検討

研究課題

研究課題/領域番号 23530356
研究機関小樽商科大学

研究代表者

佐野 博之  小樽商科大学, 商学部, 教授 (60301016)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード資本課税競争 / 財政均等化 / 社会的選好
研究概要

平成23年度は、当初の計画通り、資本課税競争に関する研究に取りかかった。関連文献を調べた上で、いくつかのモデルを構築し分析を行ったが、適切なモデルの構築には至らなかった。年度末までに構築したモデルの概要は以下の通りである。 資本課税競争は財政的外部性を伴うために、各地方政府は過大な資本税率を選択してしまい、地域の厚生を下げてしまう。他方で、地方政府間の財政均等化を目的とした中央政府による政府間の補助金政策(地方交付税交付金など)はこの財政的外部性による負の効果を減じる働きを持つことが、先行研究で指摘されている。本研究では、Besley&Coate(1997)の代議制民主主義モデルを基に、各地域が中央議会の代議員を選出した結果、中央政府がどの程度の財政均等化政策を選択するのかについて分析することを目的としている。 先行研究では、資本課税競争が行われている中で、中央政府がどの程度の財政均等化を行えば社会厚生が最大化されるのかについて考察する規範的分析が行われてきた。これに対して、本研究では、中央政府によってどのような政策が選択されるのかを考察する実証的分析(positive analysis)を行う。特に、財政均等化を目的とする政府間補助金は、各地域の利害だけではなく、中央政府の代議員が持つ社会的選好にも依存すると考え、このような代議員による選択を分析するためのモデルを構築した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

モデルを構築した段階であり、これから分析し適宜修正をしなければならない。まだディスカッション・ペーパーに仕上げる前の段階であり、あと2~3ヶ月かかる見込みである。 当初は年度末までにディスカッション・ペーパーに仕上げる計画でいたが、モデルの構築に時間がかかったことと、他の業務に思いのほか時間が取られてしまったことが原因である。

今後の研究の推進方策

次年度は今年度より当該研究に割く時間を多く取れる予定であり、十分な時間の確保により、研究は進んで行くものと考えられる。

次年度の研究費の使用計画

2~3ヶ月で最初の研究をディスカッション・ペーパーとしてまとめ、研究会等で発表し、専門雑誌に投稿する。その後直ちに、第二のテーマである、スピルオーバーを伴う地方公共財供給問題の研究に取りかかる。

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公開日: 2013-07-10  

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