研究課題/領域番号 |
23530359
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
荒巻 健二 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (90295056)
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キーワード | PSI(民間セクター関与) / 資本流出規制 / 欧州債務危機 / アジア通貨危機 / IMF |
研究概要 |
24年度においては、PSI及び資本流出規制に関する資料の収集と意見聴取を行うため、ワシントンで現地調査を行った。資料収集先は、米国財務省、米国議会図書館等で、米国財務省の議会報告書、議会の関係委員会における公聴会の議事録等を収集した。併せて、IMFのMonetary and Capital Markets Department、Strategy, Policy and Review Department、IMF日本理事室等よりPSI及び資本取引規制全般に対する考えについてヒアリングを行った。 24年5月には、欧州危機深刻化の要因をPSIにも着目して分析した「欧州債務危機」(東京大学大学院相互文化研究科国際社会科学専攻紀要『国際社会科学2011』第61輯)を刊行したが、その内容をベースに24年3月にロンドン大学のSchool of Oriental and African Studies(SOAS)において、アジア危機と欧州危機の共通要素の抽出という視点でセミナーを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで最新のPSI事例であるVienna Initiativeについて調査し、その他の事例についても資料の収集を進めてきたが、PSIについては、今次のギリシャの場合のようなinsolvencyケースについての検討はある程度行われているものの、illiquidケースに対する検討には目立った進展が見られず、個別事例の資料も極めて限られている状況である。流出規制を含め資本規制に対するIMF、OECD等国際機関の考え方についての調査は進めている。
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今後の研究の推進方策 |
25年度においては、PSI及び資本流出規制の事例について、引き続き資料を収集する。特にPSIについては韓国、資本流出規制についてはアイスランドの事例を更に分析する必要がある。それらを踏まえ、国際金融危機対応としてのPSI及び資本流出規制についてその有効性等について分析を進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
25年度においても、PSI、資本流出規制を含む資本規制に関する資料収集と、必要に応じた現地調査による関係者の考え等の聴取を進める。
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