1990年代以降の資金調達環境の変化が及ぼした影響について,実証分析での検証を行った.具体的な研究成果は,以下の3点である.①リレーションシップ・バンキングの特徴として,借入先変更のスイッチング・コストが存在するため,貸出先を割当先とする非効率な銀行の自己資本調達が行われていたことを明らかにした.②敵対的買収防衛策導入後の長期の株価パフォーマンスやトービンのQの変化を検証し,導入が始まった過渡期に導入した企業と,制度運用が安定した時期に導入した企業との差異を検証した.③私的整理による企業再建について,メインバンクへの影響が大きい大口貸出先であるほど,再破綻する可能性が高くなることを確認した.
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