研究概要 |
本研究は,教育制度のあり方が経済成長に与える影響を,マクロ経済学的視点から考察し,政府間財政関係もとりいれた形での教育制度のグランド・デザインを行うところにある。 本年度においては,理論面では人的資本蓄積をさまざまな形でマクロ動学モデルを構築することと,そこに中央政府・地方政府を明示的に導入したモデルを構築することにある。まず前者においては,Lu, C. and M. Yanagihara, 2013,“Life Insurance, Human Capital Accumulation and Economic Growth,”Australian Economic Papers, 52-1, pp.52-60およびYanagihara M. and C. Lu, 2013,“Cash-in-Advance Constraint, Optimal Monetary Policy, and Human Capital Accumulation,”Research in Economics, No.67-3, pp.278-288のそれぞれの論文が各雑誌に掲載された。また後者については,大分大学現代経済学研究会・関西公共経済学研究会共催ワークショップにおいて,“Federal and State Public Education Expenditures, Human Capital Accumulation, and Vertical Fiscal Transfers,”の論文を報告した。 一方,理論モデルの改善を図るべく,小学校の教員へのインタビューを行った。また,このインタビューは柳原光芳,2014,「学校,社会性と子どもの人的資本蓄積-教師へのインタビューから得られる政策的含意II-」,経済科学,No.61-4, pp.39-50においてまとめられている。
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