研究概要 |
研究の目的は、(i)理論的には金融市場を成長論に組み込んだモデルを発展させること、(ii)実証的にはPANIC(Panel Analysis of Nonstationary in Idiosyncretic and Common components)の手法を使って危機を解明すること、(iii)政策的には「メカニズムデザイン」の理論を使って危機に対する政策提言をすることである。今年度の研究目的は(iii)であることから、「メカニズムデザイン」の理論を使って危機に対する政策研究を行った。金融危機が発生する理論上の係数の範囲を小さくするには、すなわち国際金融市場のリスクを減少させるには、如何なる国際公共財が可能かを検討した。論文の計量モデルに関しては論文"Asian Bond Market Development"(Singapore Economic Review Conference,Singapore,2013年8月)を報告し、政策の理論モデルに関しては論文"Existence, Uniqueness and Algorithm for Identifying Free-Riders in Multiple Public Good Games"(Asian Meeting of Econometric Society, Singapore, 2013年8月)を報告し、さらには、政策の実証研究に関しては、論文"ODA and Public Good for Input:Indochinese Peninsula"(Western Regional Science Association,San Diego,2014年2月)を報告した。本研究は、理論の少ない金融危機分野に、理論を与え、その上に実証研究そして政策研究を積み重ねた研究である。
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