現在、わが国では少子高齢化・人口減少が急速に進展しており、この傾向は今後も続くと予測されている。本研究課題では、将来の人口動態がモデルにおいて内生的に決まるように拡張されたシミュレーション・モデルを用いて、育児支援などの少子化対策の影響について定量的な分析を行った。分析の結果、育児支援促進政策は、(適切な資金移転を行うことにより)全ての世代の厚生を高めることができ、長期的な観点から望ましいことが示された。しかしながら、わが国の現行の選挙制度の下では、育児支援促進政策の実施が難しいことが示され、度々「シルバー民主主義」と批判される状況を反映する結果が得られた。
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