研究課題
最終年度に実施した研究の成果は以下の通りである。1)パフォーマンス評価指標について歪度と尖度までを前回(ポルトガル)の学会発表における討論者のコメントを考慮に入れた単一指標を作成した。シャープ・レシオやソルティノ・レシオの他に筆者が開発したニュープロスペクト・レシオの単一指標について実証分析を行いシドニーで開催された26th Australasian Finance Conference 2013で発表した。結果は筆者が2006年に行った実証結果とほぼ同じであった。2)さらに、パフォーマンス評価指標についてヘッジファンドの運用スタイルに関してスピアマンの順位相関係数をベースにしてリスク回避の度合いを測るλのシミュレーション分析を行い東京で開催されたJAFEE 2014冬季プログラムで発表した。一般に普及しているシャープ・レシオと筆者が開発した、ニュープロスペクト・レシオとの順位相関はλ=2.00~2.25あたりが最も高いことが判明した。3)最終の研究成果をパフォーマンス評価指標の専門誌であるJournal of Performance Measurementに投稿した結果、編集長から次号の発刊までにレフリーからの修正が間に合えば次号に掲載予定であるとの報告を受けている。4)筆者が作成したプロスペクト・レシオはPractical Risk-Adjusted Performance Measurement (Carl R. Bacon著; Wiley社 2013)に掲載されてThe Global Investment Performance Standards (GIPS)の一つの指標として採用された。研究期間全体を通じて実施した研究の成果は概ね順調であり高次モーメント(歪度と尖度)を考慮に入れた単一指標の作成という所期の目標を達成できたと考える。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)
Journal of Performance Measurement
巻: Summer- Volume 17 - Number 4 ページ: 印刷中