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2012 年度 実施状況報告書

企業の資産評価額と資産売却価値の非整合性およびその問題解決へのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 23530399
研究機関山形県立米沢女子短期大学

研究代表者

鈴木 久美  山形県立米沢女子短期大学, その他部局等, 准教授 (80386523)

研究分担者 宇田川 大輔  苫小牧駒澤大学, 国際文化学部, 講師 (60434221)
キーワード金融論 / 実験経済学 / オークション理論
研究概要

株式の売買市場と企業の清算市場とで、企業価値に対する評価が異なることから、本来ならば存続するほうが社会的には効率的であるにもかかわらず、企業の切り売りという形で売却・清算が行われることがある。本研究は、株式の売買市場と企業の清算市場において、現状では1つの企業に対する価値評価が一致しない構造が存在することを示し、両者が一致するような売買方法を模索することで社会的に非効率的な状態を解消する方法を探究することを最終目的としている。本年度の研究予定は、株式市場および企業清算市場の現状の理解および先行研究のサーベイおよびオークション理論を利用した現状分析であった。
サーベイに関して:昨年度に終了した。サーベイ結果は、以下の研究とともに論文にまとめられる予定である。
オークション理論を利用した現状分析について:株式市場は、複数財オークションの市場であり、企業の清算市場は、組み合わせオークションの市場であると考えられるため、それぞれの市場についてモデルを利用して各市場の特性を説明した。これら結果については、論文としてまとめている。論文は、平成25年度7月に投稿予定である。
また、両市場で収入同値定理が成立していないことを策定したモデルを利用して説明し、非効率的な企業の解体・売却が発生してしまう現状を明らかにする(オークションの制度設計による問題の解決・緩和の可能性の検討の)ためにオークションルールが異なる2つの市場では、収入同値定理が成立しないことを示す具体的な数値例を設定した。
実験について:オークション理論を用いた経済学実験を行う予定である。具体的なパラメータの設定は終了しているが、被験者の確保のため、平成24年度に実施しなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、昨年に行ったサーベイおよびモデルによる現状の分析、来年度の実験のためのモデル策定をもとに実験を行う予定であった。実験に利用するパラメータの設定が遅れたため、被験者(通常は学部学生)を集めることが困難であると判断し、平成25年度へ実験を繰り越した。

今後の研究の推進方策

実験経済学を利用し、オークションルールのパフォーマンスの評価を行う。株式売買市場および企業の清算市場の現状について、オークション理論を用いてモデルで説明を行い、最適オークションルールの策定を行い、以下の実験を行う予定である。
現状の様に収入同値定理が成立してない場合、実験においても存続が効率的な企業が解体・売却されるのかを確認する。これら実験については、下実験・本実験を予定し、実験の規模は、被験者100名程度を想定している。

次年度の研究費の使用計画

次年度は本年度の研究結果を踏まえ、策定したモデルのパフォーマンスを測るため実験経済学を利用する。研究費の多くは実験謝金に利用される予定である。
謝金:120万円
旅費:25万円
その他:15万円(論文投稿代、消耗品等)

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公開日: 2014-07-24  

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