平成26年度の研究実績は、論文投稿作業・平成25年度に行った実験の分析および論文執筆・需要削減問題に関する追実験である。 (1)論文投稿作業 論文投稿作業は、すでに行った経済学実験に関して平成27年1月に論文の投稿を行った(結果待ち)。 (2)平成25年度に行った実験の分析および論文執筆 複数財を取り扱うオークション理論では需要削減という問題が存在している。株式市場は複数財オークション市場であると考えられるため、買い手が価格を過少申告する問題が発生していると考えられる。平成26年3月に需要曲線を求めるための株式オークション実験を行った。平成26年度は、その実験データの処理分析を行い、需要曲線を求めている。その結果、取引者の多い市場では需要削減問題は発生しないが、取引者が減少するにつれて需要削減問題が顕在化していることがわかった。この実験結果を受けて、論文執筆作業を開始した。 (3)需要削減問題に関する追実験 平成26年度は需要削減問題に関する追実験として、昨年度までの需要曲線を導出する実験に加えて、市場における均衡価格を求めるための実験を行った。実験室では、市場参加者の人数をコントロールすることで需要削減問題が発生するであろう市場と発生しないであろう市場を作り出しした。実験は平成27年1月に学部生15名~20名(回によって参加人数に変動有)×4回行われた。結果、需要削減問題が発生していない市場と需要削減問題が発生する市場の差異が明らかになった。
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