研究課題/領域番号 |
23530417
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
黒羽 雅子 山梨県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50330733)
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キーワード | 米国初期銀行業 / サフォーク・システム / インサイダー・レンディング |
研究概要 |
8月海外調査では、米国HBS、Baker図書館およびボストン公共図書館にて、Suffolk銀行取締役会議事録その他の資料を閲覧し、書き写しおよび一部写真撮影を行った。9月海外調査では、米国議会図書館において、「Sabin America」という歴史資料データベースを利用して、ニューイングランド各州の銀行当局による年次報告書および雑誌記事、ボストン証券市場調査報告等のデータを収集した。収集資料の加工・データベース化・分析等の実施に関しては、紙媒体の資料「米国マサチューセッツ州所在国法銀行各行株主名簿(1867年)」の名寄せ作業(約45000件)が終了した。夏季海外調査で入手した1869年版の同名簿についても、名寄せ作業が約40000件ほど終了た。米国連邦準備銀行による「1933年ネブラスカ州内銀行調査」の詳細な聞き取り情報の整理については、全127件中53件のデータベース化が終了した。 日本国内の機関銀行と産業に関する研究については、黒羽雅子「第4章大阪財界と銀行業-明治期大阪の経済躍動を担った銀行家たちー」宇田川勝監修『企業家でたどる日本の金融事業史』白桃書房、2013年3月、pp.103-128を発表した.米国ニューイングランド諸州の初期銀行業に関する研究については、黒羽雅子「南北戦争前米国ニュー・イングランド地方における州法銀行免許の取得に関する一考察-コネチカット州の徴「税」事例の紹介」地方金融史研究会『地方金融史研究』第44号、2013年5月(既刊)、pp.44-53を発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、データベース等の入力作業が格段に進捗するとともに、ニューイングランド初期銀行業に関するワーキング・ペーパー3本の執筆も進行中で、いよいよ研究成果に結びつく研究段階に歩を進めるところまできた。25年度は、校務もやや軽減されたので、最終年における研究の取りまとめに、十分な時間がさけるものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
1.ニューイングランド初期銀行業に関するワーキングペーパー3本をまとめ、山梨県立大学機関リポジトリに登録する。 2.マサチューセッツ州内国法銀行株主名簿に整序および分析を加え、資料集にまとめる。 3.上記1のものを研究論文にまとめるとともに、学会大会等で発表する。 4.3年間の研究成果を最終報告書にまとめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
主要な支出は、夏季海外資料調査の実施および最終報告書の上梓に関してである。円安等で渡航費用負担が増えるので、「※次年度使用額」はこれらの支出に充当したい。
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