本研究は、米国と日本の産業革命期における金融機関行動を象徴する「インサイダー・レンディング」と「機関銀行論」に係る既存研究の論点整理・再検証をするとともに、それぞれの地域の金融機関行動の特質や類似点を析出する比較史的試みである。対象とした主な地域は、米国ニュー・イングランド地域と日本の山梨県である。これに加えて、独特の州法銀行制度の発展を見た米国ネブラスカ州についても、その経済的な発展における銀行等金融機関の役割と州法銀行制度の変遷を中心に分析を加えた。とくに、海外調査により膨大な一次資料の収集が実現したので、所蔵元との調整をしつつ、徐々に公開を進めているところである。
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